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「ニトリ JD.LEAGUE 2023」ダイヤモンドシリーズ

・大会第2日/11月19日(日)
第1試合

エキシビションマッチ
LAで逢いましょう!~ニューヒロインは誰だ!?
~DGHG~ダイヤの原石発掘ゲーム~

ダイヤモンドシリーズ・ファイナルに先立ち、「LA2028」世代のエキシビションゲームも開催された

試合は大差となってしまったが……チームの枠を超えた交流、刺激がさらなるレベルアップにつながる

※制限時間を迎え、6回で試合終了

1 2 3 4 5 6 7 R
WEST STONES 0 0 0 0 0 0 0
EAST STONES 3 0 0 3 4 1 11

(W)●須永小晴(1回)、堀本優良(2回)、金田夢愛(2回)、藤本捺希(1回)-稗田香瑚、元川環、小泉向日葵
(E)中山日菜子(2回)、○三堀茉莉愛(1回)、渡部桜花(1回1/3)、増田侑希(1回2/3)-上林藍子、木村友奏、福島萌
〔本塁打〕内田小百合、上林藍子(E)
〔三塁打〕
〔二塁打〕柴田日菜乃、今田まな、内田小百合(E)
【球審】松田尚也【一塁塁審】濱崎哲一【二塁塁審】橋本隆【三塁塁審】矢部美樹
【公式記録員】川合奈美

 「ニトリ JD.LEAGUE 2023」ダイヤモンドシリーズ・ファイナルに先立ち、「LAで逢いましょう!~ニューヒロインは誰だ!?~DGHG~ダイヤの原石発掘ゲーム」と銘打ち、「JD.LEAGUE」所属のソフトボールがオリンピックに「復活」する「2028年ロサンゼルスオリンピック世代」の選手が一堂に会し、「東地区」(EAST STONES)と「西地区」(WEST STONES)の対抗戦という形でエキシビションゲームが開催された。

 試合に先立ち、「ファーストピッチセレモニー」(始球式)に、10月21日(土)~29日(日)、東京・大田スタジアム 他で開催された「第1回女子U15ワールドカップ」に「日本代表」として出場し、銅メダルを獲得した中村律選手(神田女学園中学校/東京)が登場する等、「LA2028」へ向け、「オリンピック復活」の機運を高めてくれた。

 EAST STONESの先発は中山日菜子(大垣 ミナモ)。「日本代表」にも名を連ねる左腕が「さすが!」の立ち上がりを見せ、サードファウルフライ、連続三振の三者凡退で試合をスタートさせた。

 するとその裏、EAST STONESの先頭打者・内田小百合が、WEST STONES・須永小晴(伊予銀行 ヴェールズ)の立ち上がりをとらえ、センター頭上を越えるソロホ―ムラン。ソフトボールの「未来」へ向けた「号砲」を放つと、この「一発」で勢いづいたEAST STONESは3番・武富沙耶(戸田中央 メディックス埼玉)のレフト前ヒット、ワイルドピッチ、死球等で二死一・二塁とし、6番・柴田日菜乃(NECプラットフォームズ レッドファルコンズ)が左中間を破る適時二塁打を放ち、塁上の走者を一掃。初回に3点を先制した。

 WEST STONESはその直後の2回表、この回先頭の4番・小泉向日葵(日本精工 ブレイブベアリーズ)が三遊間を破る「チーム初安打」を放ったが、次打者のショートゴロがEAST STONES守備陣の併殺網にかかり、6-4-3とわたるダブルプレー。チャンスの芽を摘み取られてしまった。

 EAST STONESが3点をリードしたまま、迎えた4回裏、相手守備の乱れに乗じてEAST STONESが3点を追加し、続く5回裏には、1番・内田小百合(大垣 ミナモ)にこの試合2本目となるホームラン(満塁ホームラン)が飛び出す等、大量4点を追加。6回裏にも4番・上林藍子(太陽誘電 ソルフィーユ)にもソロホ―ムランが飛び出し、11-0の大差となり、この回を終了したところで制限時間を迎え、試合終了となった。

 試合としては大差のゲームとなってしまったが、チームの垣根を超え、ソフトボールがオリンピック競技「復活」を果たす「LA2028」世代の選手が交流し、互いに刺激し合いながら、さらに「上」をめざす契機となってくれれば……と願うばかりである。


第2試合
ダイヤモンドシリーズ・ファイナル

ダイヤモンドシリーズ ファイナルは「東地区」「西地区」優勝チームの対戦となった

ビックカメラ高崎 ビークイーンの先発は濱村ゆかり。初回に先制を許す……

トヨタ レッドテリアーズは原田のどかの「一発」で先制!

ビックカメラ高崎 ビークイーンは「逆転」を信じ、「レジェンド」上野由岐子を投入

「レジェンド」上野由岐子から下山絵理が貴重な追加点となるソロホ—ムランを放つ!

トヨタ レッドテリアーズが歓喜の優勝! スタンドを真っ赤に染めた大応援団と喜びを分かち合う

この日のために……すべてをかけてやってきた。「何が何でも勝つ!」という思いが「優勝」という形に結実した

1 2 3 4 5 6 7 R
トヨタ レッドテリアーズ
(西地区優勝)
1 0 0 0 0 0 1 2
ビックカメラ高崎 ビークイーン
(東地区優勝)
0 0 0 0 0 0 0 0

(ト)○メーガン・ファライモ(4回)、後藤希友(3回)-切石結女
(ビ)●濱村ゆかり(5回)、上野由岐子(2回)-我妻悠香
〔本塁打〕原田のどか、下山絵理(ト)
〔三塁打〕
〔二塁打〕内藤実穂、工藤環奈(ビ)
【球審】田中勝裕【一塁塁審】井口佑太【二塁塁審】野口加奈子【三塁塁審】矢部美樹
【公式記録員】田中史織

 「ニトリ JD.LEAGUE 2023」ダイヤモンドシリーズ・ファイナルは、「連覇」を狙う「東地区」優勝のビックカメラ高崎 ビークイーンと、「西地区」では2年連続優勝、昨シーズンは「優勝候補の大本命」と目されながら「まさか……」のセミファイナル敗退。その日から「この日のために!」すべてをかけてきたトヨタ レッドテリアーズが対戦した。

 ビックカメラ高崎 ビークイーンの先発は濱村ゆかり。今シーズン18試合・90イニングを投げ、9勝4敗・防御率1.87・奪三振100、チームNo.1の勝ち星を挙げている「稼ぎ頭」をセミファイナルに続き、先発に立てた。試合終盤になれば絶対的な「クローザー」上野由岐子が控えているだけに、早めにリードを奪い逃げ切る、今シーズンの「必勝パターン」に持ち込みたいところだ。

 その濱村ゆかり「注目」の立ち上がり、「西地区」打撃ランキングトップ、4割9厘のハイアベレージを誇る1番・石川恭子、「キャプテン」としてチームをまとめ、引っ張る2番・鎌田優希を連続三振に斬って取り、上々の立ち上がりを見せたかに思えたが……「好事魔多し」の言葉がある通り、3番・原田のどかをワンボール・ツーストライクと追い込みながらチェンジアップを巧くすくわれ、打球はレフト上空へ高く舞い上がり、レフト・松本怜奈が懸命にその打球を追い、最後はレフトフェンスから身を乗り出すようにして精一杯グラブを伸ばしたが、それでも届かず……無情にも打球はフェンスの向こう側に消え、先制のソロホ―ムランとなった。

 トヨタ レッドテリアーズの先発はメーガン・ファライモ。シーズン後半からチームに加わったメーガン・ファライモは4試合・21イニングを投げ、3勝・防御率は0.00。21イニング無失点、奪三振22の成績を残しており、セミファイナルの豊田自動織機 シャイニングベガ戦も「先発」に起用され、3イニングを投げ、被安打4・奪三振6の好投。未だ「無失点」を続けている「剛腕」である。

 その立ち上がり、先頭打者を見逃し三振に斬ってとり、ピッチャーゴロ、セカンドゴロで三者凡退。いきなり1点リードをもらっても、力んだり、テンションが上がり過ぎることもなく、「いつも通り」のピッチングで無失点のスタートを切った。

 ビックカメラ高崎 ビークイーンは2回表、この回先頭の4番・内藤実穂がライトフェンス直撃の二塁打。反撃開始かと思われたが、5番・藤田倭が空振り三振に倒れ、6番・藤本麗が四球で出塁したものの、後続が連続三振。同点に追いつくチャンスを逃してしまった。

 ビックカメラ高崎 ビークイーンは4回裏にも、この回先頭の3番・工藤環奈が右中間を抜く二塁打。「東地区」打撃ランキングトップ、4割9厘のハイアベレージを残した「実績」「実力」を証明するかのように見事な一打を放ち、再び無死二塁とし、4番・内藤実穂が四球で歩き、一・二塁とチャンスを広げたが……5番・藤田倭の完全に詰まらされたセカンドへのハーフライナーで一塁走者が飛び出してしまい、一瞬にしてダブルプレー。チャンスを活かすことができず、またしても無得点に終わった。

 先発・メーガン・ファライモが4イニングを投げ、被安打2・奪三振5の好投で「エース」後藤希友にバトンを渡し、5回裏、今シーズン18試合・101回2/3を投げ、14勝1敗。防御率0.83・奪三振107の「圧倒的」な数字を誇る左腕が「念願」のダイヤモンドシリーズ・ファイナルの舞台に登場。必死の反撃を試みるビックカメラ高崎 ビークイーン打線をショートライナー、ショートゴロ、空振り三振の三者凡退に斬って取り、試合の「流れ」を相手に渡すことなく断ち切っていく。

 ビックカメラ高崎 ビークイーンも1点ビハインドの状況にありながら、6回表から「クローザー」上野由岐子を投入。「レジェンド」の登場でスタジアムの雰囲気、試合の流れを変えようと試み、こちらもサードゴロ、レフトフライ、サードゴロと三者凡退に打ち取り、「貫録」のピッチングで追加点を許さない。

 ビックカメラ高崎 ビークイーンは6回裏、二死から3番・工藤環奈がライト前ヒットを放ったものの、後続なく無得点。トヨタ レッドテリアーズが1点をリードしたまま、試合は最終回を迎えた。

 追加点のほしいトヨタ レッドテリアーズは7回表、先制ホームランを放った3番・原田のどかが空振り三振、4番・バッバ・ニクルスも見逃し三振に倒れ、連続三振で二死走者なしとなってしまったが、5番・下山絵理がワンボール・ワンストライクからの3球目、アウトコース低めの難しいボールを「完璧」なスイングでとらえ、右中間スタンドへ運ぶ「文句なし」の一発! 「西地区」最多の9本塁打を放ち、このダイヤモンドシリーズ・セミファイナルでも先制ホームランを放ったスラッガーが、「連覇」を狙うビックカメラ高崎 ビークイーンの「野望」と「希望」を打ち砕く、「値千金」の一発を放った。

 2点のリードをもらったトヨタ レッドテリアーズの「エース」後藤希友は、ビックカメラ高崎 ビークイーン「最後の攻撃」をセンターフライ、ピッチャーゴロ、レフトフライの三者凡退に抑え、2-0で逃げ切り、歓喜の優勝を飾った。

 今シーズン、トヨタ レッドテリアーズは「東京2020オリンピック」金メダリストの原田のどかが移籍・加入(太陽誘電 ソルフィーユより移籍)。これで打線に「厚み」が増し、その原田のどかが、このダイヤモンドシリーズ・ファイナルという「大一番」で念願の「JD.LEAGUE制覇」をグッと引き寄せる先制ホームランを放つ「大仕事」をやってのけた。

 また、シーズン後半戦からメーガン・ファライモが加入。「エース」後藤希友だけでなく、「日本代表」に名を連ねる三輪さくらという「好投手」がおり、シーズン前半戦も危なげなく首位を快走していながら、なお「現役・アメリカ代表」のピッチャーの補強・獲得に動いたところに、トヨタ レッドテリアーズが今シーズンにかける並々ならぬ意気込み、今シーズンは「何が何でも勝つ!」という強い意志と決意が感じられた。

 その「勝利への執念」が実を結んだ「優勝」であったが、最終回、下山絵理が放った「一発」が大きな「付加価値」をつけた。その「一発」が「レジェンド」上野由岐子から放った「一発」だったからに他ならない。勝ちはしたが、優勝はしたが、上野由岐子には抑えられた、上野由岐子は打てなかった……のではなく、「レジェンド」から1点を奪い、1-0ではなく、2-0で勝ったことに、初回の1点だけでなく、最終回にもう1点取ったところに大きな意味があり、この優勝をさらに輝かせる「一発」となった。

 「ニトリ JD.LEAGUE 2023」はトヨタ レッドテリアーズの優勝で幕を閉じた。「東地区」「西地区」を制したチームが優勝をかけたファイナルを戦い、「シーズン最高勝率」を挙げたチームがダイヤモンドシリーズを制したことは、ある意味「当然」で「順当」な結果であり、「あるべき姿」「王道」のシーズンであったともいえる。最も「勝ちたい」と願い、そのために周到な準備を積み重ね、思い考えるだけでなく、「実行」へと移し、1年間、この日を待ちわび、この日のためにすべてをかけ、「優勝」を熱望したチームが勝つべくして勝った。そんなシーズンだった。

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